経験的事実と論理的推論から何かをやりたい人。

『万引き家族』の評判はなぜ割れたのか - パルムドール受賞からオウム死刑執行まで

『この世界の片隅に』『ズートピア』『万引き家族』、その他の映画にも言えると思うけど、映画の評価は映画だけで決められない、というのは一つ重要な点だと思っている。例えばこの世界~であれば戦争の知識、ズートピアであれば差別の知識、万引き家族であ…

『ズートピア』から考える民主主義のジレンマ(2)

その1からの続き。 irigata.hatenablog.com ここまでに、自然状態は理想的な環境ではないが、かと言って寡頭政では人々の意思を汲み取れないし、全会一致は実現する望みが薄く、多数決も正しい結論を得られるとは限らないことなどを見てきた。しかし、残され…

『ズートピア』から考える民主主義のジレンマ(1)

togetter.com ズートピアの感想を探していると、あれは「偏見」や「多様性」について描いた映画だ、といった内容をよく見かけた。確かにそうした要素があることは間違いないと思う。しかし、単に「一人一人の個性を認めよう」という内容なら、他にも例を沢山…

『この世界の片隅に』を読み解くための『現代現象学』(2)

その1からの続き。 irigata.hatenablog.com それでは、現象学では「美しさ」や「正しさ」などの価値については、どう考えるのだろうか。経験に基づいて価値を考えるというのは、あまり馴染みのない考え方かもしれない。まず一例として、『この世界の片隅に』…

『この世界の片隅に』を読み解くための『現代現象学』(1)

「この世界の片隅に」を観て…人の心を動かすのは、別の人の感情だと、今まで思っていたけれど(熱い想いは、原動力として持ちつつ)より強烈に&深く感情を殴りつけるのは地味で、淡々として、膨大で、複雑な「事実」の積み重ねなのだ、と思った — ドアノブ(治…

私は如何にして心配するのを止めて科学を愛するようになったか

ブログの文章について、いまいち内容に納得できずに修正したりもするのだが、経験上こういうのは何年か経ってから書き直すのが一番いいと思っているので、適当なところで放置することにした。今回はまた身の上話になるのだが、一般論よりも書きやすいし、考…

14年前に亡くなった女の子と、文章を書く意味について

あまりにも個人的すぎることを書くのはなるべく止めるつもりでいたが、自分が文章を書くきっかけを明確にするのは意味がある気がして、まずはそれを書いておきたいと思った。きっかけと言っても一つだけではないはずだが、何か色々と思い出した折に書ければ…